2018-01-01から1年間の記事一覧

モーパッサン「宝石」の向こう側

モーパッサン「宝石」は、妻に先立たれた男が、妻の遺した宝石から彼女の浮気を知るという話です。さて、彼女の浮気相手はどんな人だったのか。妄想してみました。「宝石」ってどういう話?という方は、ぜひ太田浩一先生の訳(古典新訳文庫)でお読みくださ…

芝浜と椿姫

「なんだって、芝浜と椿姫が似てるってえ。冗談云っちゃいけないよ。椿姫って言ったら、あれだ。吉原のおいらんみてえなもんだ。そんないい女と魚屋のおかみさんを一緒にしていいわけがねえ」「あんた、女っていうものをわかってないね。椿太夫だって、おか…

トルバドゥールと万葉歌

先日、「中世フランスが恋愛を発明したのか?─トルバドゥール・トルヴェールの恋の歌」というレクチャー&コンサートを聞きにゆきました。宮廷風恋愛については、「クレーヴの奥方」を訳したときに、源氏物語みたい、と思ったのですが、今回、トルバドゥール…

メラニーとダイアナ

「風と共に去りぬ」を読んだ後、「メラニーのようになりたい」と言った友人がいた。いやいや、なれるものならスカーレットになりたいと私は思った。「メラニーなんてスカーレットの引き立て役に過ぎないじゃない」という人もいた。いやいや、そんな単純なも…

モーパッサン「首飾り」の向こう側

モーパッサン「首飾り」は、首飾りを借りる女の物語です。じゃあ、貸した女の側はどうだったのかしら、というわけで妄想してみました。モーパッサン「首飾り」って、どんな話? という方には、青柳瑞穂訳「モーパッサン短編集2」(新潮文庫)、高山鉄男訳「…

雪のひとひら

翻訳者が海外文学のおすすめ本を紹介する「はじめての海外文学」という書籍フェアがあります。今年で4回目、私は去年から選書で参加しています。去る11月4日には「はじめての海外文学スペシャル」というイベントも開かれ、各人が持ち時間3分程度で選書…

とりあえず はじめてみました

長い文章を書くのが苦手です。論文書くのが嫌になって、博士課程の前段階(DEA)で逃げ出した「前科」があります。それでも数年間ツィッターをやっていて、140字は短いと思うようになりました。このブログは、「帯に短し襷に長し」ならぬ、ツィッターには長す…